写真@:「国登録有形文化財・旧玉乃井旅館」見学会の参加者募集チラシ
「国登録有形文化財・旧玉乃井旅館」見学会を19日に開催します
参加者30名様を申し込み先着順で募集、定員に達しました 満員御礼
津屋崎千軒 海とまちなみの会(竹中和久会長)と一般社団法人海のほとり玉乃井(金氣順也代表理事)は、19日(土)午後1時から福津市津屋崎4丁目1−13の旧玉乃井旅館(現「海のほとり玉乃井」)で、「国登録有形文化財・旧玉乃井旅館」見学会=写真@=を開催します。明治42年建築の旧玉乃井旅館(木造2階)が令和7年3月13日に国有形文化財(建造物)に登録されたのを祝し、1,2階を「海とまちなみの会」のボランティアガイドの案内で見学後、国登録有形文化財申請の建物所見を書かれた山田由香里・長崎総合科学大学工学部建築学コース教授に「国登録有形文化財・旧玉乃井旅館を活かした町並みづくり」の演題で記念講演していただきます。
福津市の国登録有形文化財(建造物)は、旧上妻家住宅(津屋崎千軒民俗館藍の家)主屋、同井戸屋形に続いて旧玉乃井旅館が3例目。津屋崎の歴史や食文化を現在に伝える老舗旅館・旧玉乃井旅館を広く県民に知ってほしいと見学会を企画しました。
海岸通りに面した旧玉乃井旅館は、木造旅館や料亭、商家が建ち並ぶ戦前の筑豊の炭鉱地帯からの海水浴客で賑わった津屋崎海水浴場の景観を今に伝え、津屋崎の歴史を語る上で欠かせない貴重な建物として国登録有形文化財に登録。建物は近くの第一島屋旅館の経営者が取得、増改築して昭和9年に第二島屋旅館として開業。その後、獣医師で津屋崎町議員の安部正弘氏が昭和21年(1946年)に第二島屋旅館を購入して玉乃井旅館を開業しました。昭和37年(1962年)には西隣の旧明治炭鉱保養所「一乃莊」を購入、廊下で繋げて別館とし、本館海側には大浴場や舟の家を増築しました。
2階座敷からの海の眺望が素晴らしく、ミニたこつぼにタコの足のサクラ煮を唐揚げして入れた「たこ料理」が名物料理で人気を呼び、1960年代の初めごろKBC九州朝日放送のテレビ番組「石井好子ふるさとのメニュー 津屋崎のたこ料理」で放送されました。平成8年、旅館は廃業。安部正弘氏の孫で著述・翻訳業の安部文範さんが住み、同建物で同19年に第2回津屋崎現代美術展を開催し、同年の会設立時から自分も会員だった「海とまちなみの会」が同23年4月16日に2階大広間で開催した津屋崎千軒町家まつり企画・「津屋崎たこつぼ料理復活 玉乃井旅館」では、福岡県内各地から参加した男女23人に復活したメニューを自ら解説、同日午後のKBCテレビニュースで「福津市津屋崎のまちおこしに『たこつぼ料理が復活』」のタイトル付きで放送されました(たこつぼ料理復活の模様は、写真Aの写真集をご覧ください)。19日の同旅館見学会では、この放送を収録したCDの動画再生も披露します。
安部文範さんは令和4年に病気で他界。建物は令和5年、一級建築士の金氣順也さんらが設立した一般社団法人海のほとり玉乃井が譲り受け、クラフトビールの醸造所や本屋の入居を実現、文範さんの意志を継いで運営と活用に努めています。
写真A:「津屋崎たこつぼ料理復活 玉乃井旅館」開催の模様をまとめた写真集
見学会の参加費は1千円(資料、保険、お茶代)。募集定員は申し込み先着順30名で、12日(土)までに「海とまちなみの会」事務局へメールyosi3019@sage.ocn.ne.jpで、住所、氏名、電話番号を明記して担当吉村へ申し込みを――と募集していましたが、18日までに定員に達しました。ありがとうございました。