2023年03月28日
〈事務局日記〉0397:「宗像植物友の会」が『かくれみの第50号』を発行
写真@:「宗像植物友の会」の機関誌『かくれみの第50号』表紙
「宗像植物友の会」が機関誌『かくれみの第50号』を発行、本会へ寄贈
津屋崎の自然、歴史の保全に尽くされた先達も掲載されています
福岡県宗像・福津両市の植物に親しみ自然を大切にする人たちで組織している「宗像植物友の会」(吉田剛会長、会員48人=事務局・宗像市日の里)が2023年1月29日、機関誌『かくれみの第50号』(B5判、79n)=写真@=を発行、「津屋崎千軒 海とまちなみの会」に寄贈されました。1973年(昭和48年)1月発足した「宗像植物友の会」の50周年記念事業と50年の植物調査記録をまとめた充実した内容。昔ながらの自然の道を歩き、四季折々の野の花や木々の緑、野鳥の囀り、里海・里山の景観などを五感で楽しみ、心身をリフレッシュする「津屋崎里歩きフットパス」を毎年開催している「海とまちなみの会」には、植物ガイドにも大変参考になる資料に富み、津屋崎の自然や文化、歴史を大切にしてこられた先達のお名前もうかがえる貴重な文献の一つといえそうです。
「宗像植物友の会」は、宗像・福津両市や県内近郊の植物自生地で植物を観察する例会を毎年重ね、地元自治体の自然環境調査や宗像市史の植物目録編纂にも尽力。2022年2月6日発行の『宗像・福津の植物ガイド』では、20周年記念で発行した写真集『宗像の植物』以後、荒廃が目立つ自然環境の変化を記録したいと発足50周年を記念して発行されました。海辺の植物、湿性植物、草本、木本に分けて、スナビキソウ、カノコユリ、キジョランなどの植物を解説記事にカラー写真付きで紹介されています。
『かくれみの第50号』=写真A=では、冒頭に黒川康子前会長が「コロナ禍の中の50周年記念事業と50年の植物記録」と題した寄稿で、「故安部郁郎氏を会長として会員34人で発足し50年が経ちました」と説明。安部郁郎氏は、旧津屋崎町(現福津市津屋崎)出身の小学校校長で、旧「津屋崎の自然と開発を考える住民の会」副会長もされました。黒川氏は50周年記念事業では、『宗像・福津の植物ガイド』発行をはじめ、2022年10月に福原達人福岡教育大教授を招いた記念講演会(演題・「宗像の植物から学んだこと」)を宗像ユリックスで開催、会場に設けた50年を振り返るコーナーに故柴田治氏=元中学校美術教諭。明治の紺屋・上妻家住宅(国登録有形文化財「津屋崎千軒民俗館『藍の家』」の保存活動団体・「旧津屋崎町街並み保存協議会」事務局長=が描いて「かくれみの」に掲載されたホタルカズラの挿絵原画などを展示したことを紹介されています。50年の植物記録では、福津市黒石川の東側土手に自生していた塩生植物・ハマゴウ20株ほどが護岸工事のため伐採されるなど、自然環境の変化で貴重な植物の生息地の減少が目立っているという。
写真A:福津市八並に自生のマコモなど「宗像植物友の会」会員が撮影した植物のカラー写真10枚を掲
載した『かくれみの第50号』裏表紙
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