2022年03月26日
〈おしらせ〉0179:塩木の家
写真@:『文化福津』第17号に掲載された麦野裕会員の「塩木の家」記事
麦野裕「津屋崎千軒 海とまちなみの会」会員の「塩木の家」紹介記事
福津市文化協会会誌『文化福津』第17号(3月発行)に掲載されました
福津市文化協会が3月に発行した会誌『文化福津』第17号に「津屋崎千軒 海とまちなみの会」会員の麦野裕(ゆたか)さん(78)(千葉県在住)の「塩木の家」紹介記事が掲載されました=写真@=。麦野さんは、同市津屋崎3丁目26−13にある卯建の建つ町家・「麦屋惣平衛邸」(木造瓦葺き2階建て)の当主。土蔵造りの同邸が、防虫防腐のため海水に数年間浸けた材木「塩木(しおぎ)」の梁を用いて明治40年(1907年)7月に建てられた経緯を詳しく説明されています。
麦野さんは、持山から切り出した松材や檜板、竹など地元の資材でできた「麦屋惣平衛邸」の建物が114年維持できているのは、曾祖父の元津屋崎町議員麦野乙松さんが建て、祖父の元津屋崎町長時雄さん、元三井銀行・元三井東圧化学勤務の父徹男さんから受け継ぎ、福間不動産センターの蒲池和博社長、現在居住の舩越康利氏のご努力によります、という。
「海とまちなみの会」は2012年4月15日、「麦屋惣平衛邸」ブロック塀に取り付けた「麦屋は屋号。小麦を石臼でひいて粉にし、うどんを作って販売していた当時、屋号にした」との解説文に、母屋妻壁の東西に対になって建てられた卯建の写真を添えた解説案内板(縦58センチ、横76センチ)=写真A=の除幕式を行いました。〈津屋崎千軒〉の町並みでの同会設置の名所解説案内板第1号誕生で、設置費用は会員の寄付金。この日の除幕式で麦野さんが除幕し、会員たちの大きな拍手を浴びました。
写真A:卯建の建つ「麦屋惣平衛邸」ブロック塀に設置された解説案内板
除幕式終了後、会員らは麦野さんの案内で同邸を見学、材木を防虫防腐のため海水に数年間浸けて用いた「塩木」の梁=写真B=の素晴らしさに感嘆の声が上がっていました。
写真B:海水に数年間浸けて用いられため塩を吹いて白く見える「塩木」の梁
=「麦屋惣平衛邸」玄関の間で、2012年4月15日撮影
3月27日まで「藍の家120歳展」(入場無料)が開かれている津屋崎千軒民俗館「藍の家」では、「麦屋惣平衛邸」をはじめ津屋崎千軒の卯建や鏝絵のある町屋を写真付きで解説展示するコーナーも見学できます。
2022年03月19日
〈事務局日記〉0387:藍の家で講演会
写真@:1階座敷で講演する山田由香里・長崎総合科学大学工学部教授
=津屋崎千軒民俗館「藍の家」で、2022年3月19日午後1時35分撮影
福津市の国登録有形文化財「藍の家」で築120年祝う
山田由香里・長崎総合科学大学工学部教授が講演
福津市津屋崎4の津屋崎千軒民俗館「藍の家」で3月19日午後、山田由香里・長崎総合科学大学工学部教授(日本建築史)が「藍の家120歳」を祝って講演=写真@=されました。明治34年(1901年)に染物屋(紺屋)・五代目上妻善兵衛氏宅として建てられた「藍の家」が、令和3年(2021年)で築120年になったのを祝う行事として講演を依頼。
山田教授は平成18年(2006年)、初めて訪れた「藍の家」を国登録有形文化財とするよう福津市に提案、同文化財登録申請の建物所見を執筆し、「藍の家」の同19年(2007年)の有形文化財登録に大きく貢献されました。この日の講演会は、藍の家保存会(「津屋崎千軒 海とまちなみの会」会員)が中心となって運営、山田教授が「古くて新しい、藍の家再発見!」の演題で講演。
藍の家の建物の魅力について、山田教授は「2007年に一目見て、素敵な建物だと思いました。その時、藍の家は105歳でした。それから15年経って120歳を迎えられたということは、人間の還暦を2回することなので、すごいことです。祇園祭りの山笠が見られるように外される1階の格子戸や、欄間の近江八景の彫刻、2階の火に強い漆喰壁、長さ9mの松の梁など外観、構造も素晴らしい。古いけれども、新しいまちづくりができる建物です」と、聴講の多くの市民に熱心に語られました。
〈おしらせ〉0178:「7」人の匠展
写真@:「7」人の匠展のチラシ(左から3人目が津屋崎人形師・原田翔平さん。その下が「ごん太」人形)
福岡市のアクロス福岡で「7」人の匠展が始まりました
福津市の津屋崎人形師・原田翔平さんらの作品展示
公益財団法人アクロス福岡主催の「7」人の匠展=写真@=が、3月19日から福岡市中央区天神のアクロス福岡1階・アトリュウムと2階・匠ギャラリーで始まりました。伝統工芸の未来を切り拓く「7」人が放つ“NEW STANDARD(ニュー・スタンダード)”と銘打って、「伝統」を守りつつ、「新風」を吹き込む福津市の津屋崎人形師・原田翔平さん(32)ら県内の工芸作家7人の作品を展示、販売する企画展です。入場無料で、21日まで。
原田翔平さんは、245年前の江戸時代中期創業で武者人形やフクロウをかたどった玩具人形・モマ笛製作、内田康夫の小説『化生の海』に登場でも知られる「筑前津屋崎人形巧房」(福津市津屋崎3丁目)の7代目原田誠さん(70)(「津屋崎千軒 海とまちなみの会」会員)の長男。公務員を経て、2017年から家業8代目の津屋崎人形師に。2018年9月4日に全国放映されたTBSテレビ「マツコの知らない世界」・ご当地民芸品の世界で、明治時代に赤ちゃんのおしゃぶりとして米粉で色塗りした「ごん太」人形が、独特の表情がかわいいと紹介された際、注目されました。「ごん太」人形は品切れ状態になる人気という。
2022年03月15日
〈事務局日記〉0386:宮地浜「夕陽風景時計」が福津市のホームページに掲載
写真@:福津市のホームページに掲載された宮地浜「夕陽風景時計」紹介記事
宮地浜「夕陽風景時計」紹介記事が福津市のホームページに掲載
<福津に暮らす。豊かに暮らす。>「ふくつの魅力」アピールに一役
「津屋崎千軒 海とまちなみの会」(会員45人)が2014年に福津市制施行10周年記念事業として設置した宮地浜「夕陽風景時計」が、市のホームページ関連リンク「定住化情報プラザ ふくつぐらし」の『ふくつの魅力』ページに記事と写真で掲載=写真@=され、<福津に暮らす。豊かに暮らす。>魅力をアピールしています。
『ふくつの魅力』ページ掲載の記事は、【便利なまち】の<太陽の下でのびのびと>コーナーに、「海に沈む夕日は絶景」の見出しで<市内の海岸からは、水平線に沈む夕日を眺めることができます。その美しさは思わず足を止めて見入ってしまうほどです。日が沈む場所や色合いは日々刻々と変化していきます。テレビCMで一躍有名になった宮地嶽神社参道の「光の道」の浜辺(宮地浜)には、市民グループが企画、製作した夕日が沈む時刻と方角が分かる「夕陽風景時計」が設置されています>と紹介。
夕陽が沈む方向と時刻、水平線の島々が描かれたパノラマ風景が分かる宮地浜「夕陽風景時計」は、緒方義幸・「海とまちなみの会」会員が考案。本会が玄界灘に沈む夕陽の美しさを観光に活かしたいと、約200人から寄せられた市民募金約40万円で設置。“光の道”絶景は、平成28年(2016年)2月に人気アイドルグループ「嵐」(2020年末で活動休止)のJALの国内旅行企画CMで、テレビ放映され、全国的に知られる夕陽絶景が楽しめる人気スポットに。宮地浜「夕陽風景時計」も、NHK総合テレビで同年12月2日に「夕日の町に新名所」として福岡県内で放送され、同月28日の「NHKニュース おはよう日本」で「人気! 夕日が見える新名所」として全国放送されて有名になりました。
2022年03月10日
〈事務局日記〉0385:藍の家120歳展
写真@:津屋崎千軒民俗館「藍の家」入口に立てられた藍の家120歳展の案内看板
=福津市津屋崎4−14−20で、2022年3月10日撮影
福津市で「藍の家120歳展」が始まりました
津屋崎の卯建や鏝絵のある町屋めぐり写真を展示
福津市津屋崎4の津屋崎千軒民俗館「藍の家」で3月10日、「藍の家120歳展」(主催・藍の家、福津市地域振興課)=写真@=が始まりました。藍の家は、明治34年(1901年)に建てられた染物屋(紺屋)・五代目上妻善兵衛氏の住宅。白漆喰塗り込め壁に格子戸など当時の町屋形式の特徴を伝えています。令和3年(2021年)で築120年になったのを祝い、記念行事として同展を開催したもので、入場無料。27日まで。
この上妻家住宅は、取り壊しが持ち上がった平成6年(1994年)に旧津屋崎町街並み保存協議会の保存運動で、上妻家が建物を旧津屋崎町(現福津市)に寄贈しました。平成19年(2007年)には、江戸時代から海上交易で栄えた〈津屋崎千軒〉の面影を残す建造物として、国登録有形文化財になり、現在は福津市が管理し、ボランティア団体・藍の家保存会(古閑由美代表)の運営で、地域の文化交流の場として活用されています。
「藍の家120歳展」会場の1階・座敷には、藍の家保存会が資料をまとめた旧津屋崎町街並み保存協議会の保存運動の歴史紹介コーナーのほか、津屋崎地区の観光案内図と 防火壁の卯建や鏝絵のある町屋などの写真を掲示した「藍の家周辺の町屋めぐり」コーナー=写真A=や、明治時代に津屋崎で配られた色鮮やかな引札(商店のチラシ)も展示。
写真A:津屋崎地区の観光案内図と町屋などの写真を掲示した「藍の家周辺の町屋めぐり」コーナー
展示された卯建のある町屋では、しおさい通り東側に面した「麦屋惣平衛邸」(木造瓦葺き2階建て)母屋妻壁の東西に対になって建てられた卯建の写真と、「津屋崎千軒 海とまちなみの会」が塀に掲示した「麦屋惣平衛の麦屋は屋号。小麦を石臼でひいて粉にし、うどんを作って販売していた当時、麦屋を屋号にした」という解説板の写真も添えられています=写真B=。
写真B:妻壁東西に対の卯建がある「麦屋惣平衛邸」の写真と「津屋崎千軒 海とまちなみの会」が塀に掲示した解説板の写真
2022年03月06日
〈活動記録〉0727:宮地浜「夕陽風景時計」3月定期清掃
写真@:定期清掃作業を終えた宮地浜「夕陽風景時計」
=福津市宮司浜4丁目で、2022年3月6日午前9時10分撮影
人気スポット・宮地浜「夕陽風景時計」の3月清掃作業
光の道$竚iの「宮地嶽神社」参道石段突き当りの海辺で
「津屋崎千軒 海とまちなみの会」事務局は強い南風が吹く3月6日午前、福岡県福津市宮司浜4丁目の宮地浜「夕陽風景時計」(幅110cm、奥行き70cm、高さ90cm)の版面の汚れを落とし,据え付け台前の浜砂を除くなど定期清掃作業を行いました=写真@=。県の新型コロナウイルス対策の「まん延防止等重点措置」期間は6日までですが、「夕陽風景時計」をより多くの方が訪ねやすくなるよう、一日も早い新型コロナウイルス感染症の終息を!
宮地浜「夕陽風景時計」は、本会が福津市制施行10周年記念事業として平成26年(2014年)7月6日、市民ら約2百人から寄せられた募金約40万円で宮地浜に設置。2月23日ごろと10月18日ごろ年に二度だけ、夕陽が参道を黄金色に照らしながら玄界灘に浮かぶ「相島」(福岡県新宮町)の背後に沈む絶景・光の道≠ェ楽しめる「宮地嶽神社」参道石段最上部から、真っすぐ1.4`先の海辺にあります。扇形に描いたステンレス製の時計版の縦軸に日没時刻、横軸に方位と水平線に見える島影の約150度の「パノラマ風景」が刻まれており、横八文字形の「夕陽ループ曲線」をたどれば、一年間を通じて夕陽が沈む方向と時刻が分かります。
光の道$竚iは、平成28年(2016年)2月に人気アイドルグループ「嵐」(2020年末で活動休止)のJALの国内旅行企画CMで、テレビ放映され、全国的に知られる夕陽絶景が楽しめる人気スポットに。宮地浜「夕陽風景時計」も、NHK総合テレビで同年12月2日に「夕日の町に新名所」として福岡県内で放送され、同月28日の「NHKニュース おはよう日本」で「人気! 夕日が見える新名所」として全国放送されて有名になりました。「海とまちなみの会」では、夕陽の絶景が楽しめる人気スポットとして貴重な時計を守っていきたいと、毎月保守点検を兼ねた清掃作業を行っています。